第二秘書は恋に盲目

風邪も完治して元気になった私は、第二秘書の仕事へ復帰したのだけど、自分の中に起きている変化に首を傾げていた。

「今年も例のお嬢様校の修学旅行の予約が入ってたよな?
去年、生徒同士の揉め事があって急遽部屋を移ると言い出したんだ」

「大丈夫です。今年は既に数部屋多く確保してあります」

この日、出張から帰ってきた社長は、不在中の仕事を細かくチェックしていた。
ここで何かミスが生じていようものなら、今日の定時帰宅は諦めなければならない。