第二秘書は恋に盲目

そんな私を一瞥して、孝宏さんの腕を掴んで引っ張った。

「外科医なんですから、こんなところにいたら内科の先生に叱られますよ!

ほら、早く行きましょう」

そして後ろに回り込み、孝宏さんの背中をポンポンと押して外まで連れていった。

そんな彼女の姿を見て、なんというか、アクティブだなーと思う。
もしかしたら、八田さんは何かしらの誤解をしているかもしれないけど、それで睨まれているとしても、それに対して怒りや対抗心は起こらない。
恐怖心はあるけど、恋愛に対してそこまで行動的になれる八田さんに強く感心していた。
彼女は、私に無いものを持っている。