第二秘書は恋に盲目

「う、ごめんなさい…」

じたばたしながらようやく謝罪の言葉が出た。それを聞いて、渋々腕を離す。

「弄ぶ?出来の悪いペットに学習させてるんだよ。
俺を面倒事に巻き込んだらどうなるか、しっかり教えておかねーと」

2、3歩後ろに下がって距離をとる千歳に向かって言うと、ガクッと項垂れた。

「ペットって…!
……遂に人間失格ですか、私は…」

こんな事で太宰治を引用するのはやめてほしいが、彼女はここに来た時点で、俺と彼女は人間同士の関係ではなくなったのだから仕方ない。

病院で俺が出した条件は、俺の言うことに逆らわないこと。それを千歳は飲んだんだ。
つまり王様ゲームで言うところの、常に俺が王様でいられる帝国が完成したということ。