第二秘書は恋に盲目

それから暫くして、駐車場に向かう途中に、何の気の迷いか待合室を覗いてしまった。

はぁ、また何かやってる…。
呆れたことに、そこでは千歳とあやめちゃんが言い争っていた。


俺達がいなくなったあと、千歳の説得で父親への連絡は受け入れたものの、帰りたくないとごねているらしい。
千歳としては、帰ってもらう以外に手はないだろうから、諦める選択肢はない。
それで、2人で言い争っている。
まるで子ども同士の喧嘩だ。

「病院で騒ぐな。鬱陶しい」

視線をきつく2人を見ると、千歳はしゅんと大人しくなった。
一方で、負けじと口を開くのはあやめちゃん。