第二秘書は恋に盲目

はぁ。
こっちのガキは生意気で、俺がいるからって勝手に病院まで押し掛けてくるし、こっちの女は自分のことを顧みないで滅茶苦茶やってるし。
もうひとつ言うと、八田はいつからか俺の隣にいて離れようとしないし。

本当に、関わりたくないんだよ。こういうの。

だけど、寒そうに身体を小刻みに震わせながらもあやめちゃんの話を聞こうとする千歳に意識が持っていかれてしまう。まったく、やめてくれ。

「…寒いならそう言ってください」

適当に、着ていた白衣を千歳の頭に放った。

「わ…、ありがとうございます」

これで、もう関わらない。
白衣もくれてやる。

これ以上こいつらに関わったら、絶対に俺が損するに違いない。

八田にも戻るように言って、俺はその場を去った。