第二秘書は恋に盲目

千歳が隣に座ると、あやめちゃんは気まずそうな顔をした。
千歳は、あやめちゃんがここに来た理由をある程度はわかっているのだろう。だったら、俺たちがここにいる必要もない。

「なんで来るのよ…。

大体、須藤先生が笠原に連絡するから…!」

感情の矛先が俺に向いている。こういうことには関わりたくないが、ガキに言いたい放題にさせておくのも癪だ。

「じゃあ、いつまで笠原さんに、雨の中あやめちゃんを探させれば良かった?」

「知らない!」

生意気だ。

「ちゃんと答えろ」

「あ、あの…」

そこに恐る恐る仲裁に入ったのは、まだ髪から雫を滴らせている千歳。