隣の席の矢野くん。



「私の事好きじゃなくてもいいっ…!だけど、また、話したいッ…」


そう言うと同時に、ふわっと何かに包まれた。


「ほんと、雨宮さんは馬鹿だよ」


それが、矢野くんの腕だと認識するのに随分の時間がかかった。


「や、矢野くん…?」


ぎゅっと強く、抱き締められる。


こんなにも近い距離なのは、初めてだ。