年の暮れに紅白歌合戦を見ていた
彼女がすきだと言っていた歌手がでていた

あー、あれから3年の月日がたったのか、、、
心の中でつぶく
それはそうだろう
だって、横には妻がいるのだから

3年、、、。
そう、3年経つ。
彼女が死んでから。

3年前---------
「なあ、電話番号教えてくるないか?」
当時俺は看護師をしていた。
年は確か28だった気がした。
看護師を始めて一年目、同じ時期に入った少女とたまたま病院の廊下ですれ違い、連絡先を聞いた。
「......」
彼女はきょとんと見返す。
ボブカットの人形みたいなかわいいこだった。
「あー、わるい。いやだったか?」
「ううん、いいよ」
そう言って彼女はアドレスを教えてくれた。

彼女とは同期といえば、同期だった。
けれど、彼女は当時19歳。彼氏もいた。
かたや、俺には妻がいた。
たまたま、同じ時期にはいり、入社の研修で話した程度の仲だった。
アドレスを聞いた理由はシンプルだった。
彼女がかわいかったから。
まー、一緒にご飯を食べに行けたらいいか。
最初は、そんな簡単なりゆうだった。
それがまさか、あんな悲劇になるとは、、、。