「この際だから言うが、儂と辰彦と奈々子と雪穂と広大は幼なじみだからな。年齢が上なのは広大だけだが。」


「女性の年齢いうなんて相変わらずデリカシーないのね。boy、こうなっちゃだめよ。」


大物モデル、警視総監、グループトップ、名を馳せた資産家...。


そうか、こうしてみると俺は書類しか見えていなかった。


この方たちと渡り合えるようにならなくちゃいけないのか....。


「何かさとったようね。」


雪穂様が妖艶な笑みでにこりと笑った。


「いくら高澤家といえども三大名家は無視できないし、今は五大公時代でしょ?」


詳しく説明はあとでしよう。


「辰彦と誠一郎に勝てる力を得ないとユリは手に入らないわよ。」


「....っ!」


顔は笑っているが目が全く笑っていない。


「ユリが悲しんでおったと、お前から連絡が入らないと。」


会長がまっすぐ俺のほうを見て言った。


「それに関しましては私、今調べております。優莉様のご連絡先を登録した携帯に着歴が無いのでございます。」


「聞いたわ。ただ気づくのが遅いわ!高校生で会社の事業を任されているとはいえ、表向きは表舞台から姿を消している父親。表向き仕事を引っ張っているのは母親。忙しいのは理由にならないぞ!」


ぐうの音も出ない。


本当の母親じゃない、そんなのは言い訳にならない。


すべてを取り仕切る力がないからこんなことに....。


過信に気づくのが遅かった。