「那留くんとは…?」 恐る恐る訊ねてみると、橘くんはまたむすっとして黙りこんでしまった。 とたん、橘くんの後ろからぬっと出てきた人影が、明るい声を出した。 「あー、もうそりゃ完璧ですよ!」 「那留くん…!」 いきなり現れた那留くんは、撮影の後らしく、髪の毛をぐしゃぐしゃにしていた。