赤信号で立ち止まったとき、ふと、自分の肩が一滴も濡れていないことに気づいた。 別に、私服だからいくら濡れても平気だ。 それに、小さい折り畳み傘で、私だけ濡れないのはおかしい。 そう思い、ちらっと橘くんの右肩を見た。 「っ!………橘くん!濡れてる!」 そう言うと、橘くんも自分の肩をようやく確認した。