「た、橘くん。那留くんは傘は?」

「ないって」

「…分かった」


橘くんに確認を取った。
穂花ちゃんが持ってないってわかったら、次に聞くのは那留くんだと思ったから。

たぶん、穂花ちゃんは、那留くんまで傘がないとは思わないだろう。

傘立てから、自分の傘を抜き取ると、穂花ちゃんの元へ。