「あれ」 戸惑っている私に、橘くんは顎で空を見上げている穂花ちゃんを差した。 その手に傘はなく、誰かを待っているような様子もあまり感じられない。 取り合えず、穂花ちゃんに状況確認。 「穂花ちゃん!傘は?」 「あ…えっと、今日、忘れちゃって…。那留が持ってたらいれてもらおうかなって」 苦笑しながら穂花ちゃんはそう言った。 当の那留くんは、お友だちと談笑中。