ぼーっとその笑顔に見とれてると、穂花ちゃんが私の顔を両手で挟んできた。
「実湖なら、いけるんじゃないかなって思ってるの。光樹のこと」
「え」
真剣な眼差しで、穂花ちゃんは話始めた。
光樹くんには、どうやらずっと好きな人がいるらしい。
だからか、される告白は全て断っている。
でも、好きな人にも、告白する気配はなく、失恋したんじゃないか、ということ。
「た、橘くんに、好きな人？」
「意外だよね～。あ、話戻すけど、実湖は光樹にとっても他の女の子とは違うと思う。光樹が、あんな風に女の子助けるなんて、あり得ないんだよ？」
あんな風にっていうのは、自分の彼女としてってことだよね…。
