「あのな、仮にもお前モデルだからな?芸能人相手じゃ、あいつらもなにもできねえ。俺だけじゃなくて、穂花と那留もいんだし」


そう言いながら橘くんは、倒されてこぼれてしまったカゴの中身を拾い集める。

あわてて私もしゃがんで、手伝う。


「……あり、がとう」

「あ、これだけは言っとく。俺、別にお前のこと嫌いじゃないよ。好きでもないけど」

「う……。分かった」


今、胸がズキンと痛んだのは、気づかなかったフリ。