「鈴原だけ?」


またもいきなり声をかけられる。
今度は橘くん。


「う、うん。…さっきまで那留くんいたけど、千メートルだって」

「そっか」


受け答えが、那留くんとそっくり過ぎて、心の中で微笑む。