「あ、光樹?お前も帰る?」


沈黙を破ったのは、那留くんだった。
顔をあげると、橘光樹くんも、首をねじって那留くんを見ていた。

那留くんと目が合うと、驚いた顔をされた。


「あーあー。光樹ってば、なに言ったの?あとで穂花が黙ってねぇよ?」

「はぁ?」


不機嫌そうにまたこちらに顔を向けた彼は、ハッとしたように、体をこわばらせた。