「夏休みの最終日に、光輝から電話があってね。 婚約を白紙に戻すように、両親を説得するって」 「え、……なんで……」 混乱する私をよそに、美雪さんはふっと顔を緩ませた。 「好きな人が出来たんだって。穂花ちゃんじゃなくて。新しい人」