「お前さぁ、穂花にもだけど、鈴原ちゃんにも言ってねんだろ?」

「なんで鈴原?」

「は?お前鈴原ちゃんのこと好きなんでしょ?」

「はい?」


那留の言い方には確信があったが、俺はそんなこと言った覚えもないし、

そもそも鈴原に恋愛感情を持っているのかさえ分からない。


「あ、違えの?光輝が女子助けたりすんの珍しいし、鈴原ちゃんには割と無防備だからそうなんかと思ってた。ごめん」


謝るほどの事じゃないけど。

心の中で突っ込みながらも、窓の外に見える海を眺めた。