恋のエンジェルは、恋しない⁉

「恋夏、待て!」
けれども恋夏は、走り続ける。
「あっ」
恋夏は、広い野原に出ると、
まだ、はきなれない下駄のせいで、
転んでしまった。
「来ないで!」
本当はそんなこと、
言いたくないのに、
今、恋夏が言えることは、
それだけだった。
「なんでだ!
俺が悪いんだったら、
謝るから。
少しでも、話、、」
「ちがうの!
あなたは、何も悪くない。
私はただ、もう、
あんな運命を、たどりたくないの、、」
そう、それは、先祖でありながら、
自分の前世の時雨が、
呪いのせいで、
家族とも会えず、
一族を、不幸にしてしまった事、、
「だから、、」
「そんなの、かんけーねえよ。
そんな呪いが怖くて、
お前を嫌いになんか、なれねーよ」
景の声は、とっても、
やさしかった。
「好きでいても、いいですか?」
「ああ」
恋夏の目から、
次から次へと、
涙が流れた。