それから、三日。
恋夏は、景と目が合うと、
すぐに、そらしてしまう。
そして、あっというまに、
お祭りに行く、時間になってしまった。
恋夏は、水戸に着替えさせられて、
水色の蝶柄のゆかた。
水戸は、ピンクの花柄だった。
恋夏は、塁たちに、
「かわいいね」
といわれ、顔を真っ赤にした。
「えっと、団体で行くと、
大変なことになるから、くじ引きで、
ペアを決めます」
で、決まったペアが、
水戸と京。
亭と塁。
そして、恋夏と景。
さっさと、恋夏と景以外のペアは、
お祭りへと行った。
二人は、水戸の家の前に、
ポツンと、残された。
(ど、どうしよう、、)
恋夏は、パニックを起こして、
考えることが、出来なかった。
すると、それに気ずいた景は、
「俺らもいこうか」
と、言ってくれた。
「わぁー!」
始めてみるお祭りに、
恋夏は、興奮していた。
「なぇ、あれ何?」
恋夏は、景の浴衣の袖を、
引っ張った。
「やってみる?」
恋夏は、うなずいた。
恋夏が指差したのは、射的だった。
「う、当たらない、、」
恋夏が撃った玉は、
景品に、かすれもしなかった。
「ハハハ、貸してみ」
そういうと景は、
恋夏の後ろに回った。
「ほら、」
恋夏の鼓動が、高鳴った。
景の声が、すぐ近くで、聞こえたからだ。
パンッ!
銃から、大きな音と共に、
玉が、発射した。
その玉はみごと、
景品のぬいぐるみにあたった。
「やった!
ありがとう、景!」
恋夏の喜ぶ顔を見て、
フッと、笑った。
(、、、)
そんな景の顔を見て、
また恋夏は、顔をそらした。
その後二人は、
金魚すくいや、ヨーヨー、
かき氷など、
たくさんあそんで、たくさん食べた。
「あ~あ、楽しかった」
神社の方まできた恋夏たちは、
階段に、腰を下ろした。
「恋夏」
名前を呼ばれ、振り向くと、
いつもより真剣な顔をしている、
景がいた。
「どうしたの?」
「恋夏、好きだよ」
そう、言われた瞬間、
恋夏の頭に、前世の記憶が、
流れ込んできた。
そう、愛する夫も、
愛する娘も、
二度と会えなくなった時のことを、、、
恋夏は、立ち上がって、走り出した。