「あの、どこに行くんですか、、?」
恋夏は、三人の一人に、
腕を引かれ、人気がない、
裏庭らしきところへ、
連れてこられた。
「あんた、調子こいてんじゃ、
ないんだよ!」
すると、恋夏の手をつかんでた人が、
恋夏を、壁に叩きつけた。
そして、もう一人の人が、
持っていたガムテープで、
恋夏の手首をまいた。
「あんたさ、景とかと一緒にいて、
気取ってるんじゃないわよ」
「少し、馴れ馴れしいのよ!」
バケツの中に、たっぷりの泥が入っていた。
三人は、そのバケツの中身を、
恋夏にかけた。
「ハハハ♪
あんたみたいな、
泥棒猫は、泥がお似合いよ」
「あ~あ、汚い。
ほーら、綺麗にしてあげる!」
バシャ~ン!
放水から出た、
大量の水が、
恋夏にかかった。
その、無様な恋夏の姿を見た三人は、
高々と笑った。
「でも、こんな子と一緒にいる景も、
どうかね。
ほら、何か、言ってみなさいよ!」
「、、、いで」
「は?」
「私の事は、好きに言っていい。
だけど、景の事は、悪く言わないで!」
「生意気な!」
恋夏の目から、
涙がこぼれた。
けれど、怖くはなかった。
景のためなら、命だって、惜しくはなかった。
(景!)
一人の手が、上がったとき、
恋夏は、景の名前を、
心のなかで叫んだ。
パチン!
頬を叩く、大きな音がした。
けれど、どこもいたくない。
「景!」
「恋夏を、傷つけるな!」
三人の女子は、
逃げていった。
「恋夏!」
「景、、」
恋夏は、弱々しい声で、答えた。
景が現れた瞬間、力が抜けた。
そして、嬉しかった。
(もう、この気持ち、ごまかせられない。
これが、、)
恋だってこと、、、
「恋夏!」
恋夏は、景の腕のなか、
気を失った。