「ふっふふ~ん♪ふふ~ふふ~ん♪」

ご飯を宿のオバサンに頼んだミキナは上機嫌で部屋に戻っていた。

バンッと扉を開いてニコニコ笑顔を振り撒く。


「ルイス~っ!ご飯オムライスだって~!やった~♪…って、あれ?」


ニコニコ笑顔が消え失せた。


「ルイス?寝ちゃったの?」


盛り上がった布団を覗き込む。

ルイスは本当に寝てしまっていた。


それだけならいいのだが…



「…え?」



頬に涙の筋がある。


「ルイス…?」


そっと筋をなぞってみた。

するとルイスは身動ぎする。


「ん~…。まだ…寝る…」

「ルイス、どうしたの…?」

「寝るってば…、兄…さん…」

「兄さん?」


ルイスの呟きにミキナは首を傾げた。


ショウは今いないのに。


「…ルイス、兄さんじゃないよ。あたしだよ、ミキナだよ。」

「…ん…え…?」


ようやくルイスは瞼を上げた。


ぱちくりと瞬きしてミキナを見る。




.