「…あぁ、もうめんどくせぇ…。探し回らなきゃ駄目だなこりゃ」

「見かけたらすぐに教えてあげるよ」


頭を抱えて嘆くショウを哀れに思ったのか、オバサンは優しくそう言った。




 ――――――――




「…ルイス」

「…………」

「ルイスったら」

「…………」


ミキナはすぅっと息を目一杯吸い込んだ。



「ル・イ・ス!!!!」



「うわぁっ!?」


宿の窓から外を睨んでいたルイスは、ミキナに耳元で怒鳴られ飛び上がった。



「み、ミキナ、耳元で怒鳴らないでよ」

「だって何回呼んでも返事しないんだもん!」

「え、ごめん」


ルイスは素直に謝った。

走りに走って宿を見つけてからまだ10分も経っていない。

ルイスは宿についてからずっと外を見ていた。


「もうっ。どうしたの?さっきから怖い顔して外睨んで…。」

「…何でもないよ」


微笑むルイスにミキナは溜め息をついた。



「じゃあ、背中の怪我、包帯変えよ?薬も塗らなきゃ。」

「いいよ、大丈…」

「駄目ッ!!」

「…ハイ」


腰に手を宛てて怒るミキナにルイスは大人しく従うことにした。




.