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その数時間前。
「…参ったな」
頭をポリポリ掻き、ため息をついたショウは周りを見回した。
後ろにあのユジル大橋。
ルイスとミキナがまだ船に乗っていたから、船が向かった方向に来た。
そして、何かが降り立った跡をこの場所で見つけた。
ユジル大橋と接する、リスティガン大陸に入ったばかりの海岸線。
しかしその跡以外、何の手がかりもない。
「あんまり動いても逆に離れたら困るしな。」
ふむ、と考える仕草をするショウ。
「近くの宿にでも荷物置いて、この辺探すか?あ、でもあの二人も一応宿はとりそうだな。」
そこでまたため息をつく。
「…しかし、誠に残念ながら、俺には少ししか金がない…。」
これじゃ本当に小さな宿じゃなきゃ泊まれない。
「…嫌だけど、リゼルクに行くしかないよな。仕方ねぇし。」
ショウは小さな村がある方向を睨んだ。
(ルイス達もいるかもしれない。)
そう考え、ショウはリゼルクへと足を早めた。
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