「あっちに町が見えた。たぶん、マリナスだ。

ショウはああ言ってたけどこの場合少しでも近いところがいいと思うんだ。
きっとショウもそうするはずだし。」

「…うん、じゃあ、マリナス行こう。」

短時間でそれだけ考えたルイスを見て、泣くだけだったミキナは反省すると同時に見習わないと、と考えた。


「決まりだね」

そう言ったルイスはよいしょ、と立ち上がった。

鞄の中から違う上着を出す。

さすがに血のついた服は着れない。



「大丈夫なの?」

「平気だよ、これくらい。」


ルイスがにっこり笑ってから毛布を片付けると、ミキナも救急セットを鞄に納めた。



「ちょっと、急ごうか。」



二人は早足で町に向かった。





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