「ごめんね、あたしのせいで怪我したし、大変だったよね。ここまで、運んでくれたんでしょ?」

真っ赤なまましょんぼり謝るミキナにルイスは噴き出しかけた。


「そんな気に病まなくても…」

「…だって、背中が痛いから、テント張れなかったんでしょ?」

「ちょっと休んでたら寝ちゃっただけだよ」


にっこり微笑むルイスに、ミキナも弱々しく笑った。




「はい、できたよ。」

「ありがとう。ミキナ、医者みたいだな。ショウの看病も完璧だったしさ。」

「そんなことないよ。」

そう言うと同時にうつ向いて泣きそうになったミキナに、ルイスは首を傾げて不思議そうに顔を覗き込んだ。


「…お兄ちゃん、どこ行ったのかな。」


その呟きに、ルイスは優しい笑顔を向けた。


「ショウならきっと大丈夫だよ。大人だし、強いし。

俺らはまず、どっかの宿を取ろう。そんなに離れてないはずだから、そこを拠点にして探せば見つかるよ。」

「…うん。わかった。」


ミキナは大人しく頷くと目に溜まった涙を拭いた。




.