頬に、何かの当たる感触。

やわらかい。


あったかい…?


ミキナはくりっとした大きなオレンジの瞳を開いた。


「………。」


首をまわすと、目を閉じて眠る金髪の美少年の顔がある。




「うひゃああああ~ッ!」



叫んだミキナはルイスから離れると、真っ赤になって顔を覆った。


「…んぅ」

かなり大声を出したのに、ルイスは少し動いただけで起きない。


一瞬、かわいいなんて考えた自分がまた恥ずかしくなり、ミキナはまた真っ赤になる。



(て、ていうか、さっきの体勢!)

ミキナが起きたとき。



ルイスに後ろから抱き締められた状態だった。



(お、落ち着けあたし!)


確か、ルイスに抱き抱えられて船を飛び降りて…。




「…怖くて、気絶した…。」



情けない…。



もう一度ルイスを見てみると、彼は樹を背にして座って眠っていた。

毛布がそばに落ちている。
ミキナにかけられていたようだ。



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