月の国


「ルイスは長剣はいいのか?」

藍秋刃を鞘に納め、ショウはルイスに訊ねてみた。


「俺のは、家に置いてきちゃったんだ。」


少し寂しげに笑い、ルイスは答える。


「…家には、戻らねぇのか?」

「うん。」

「親とか、心配してるんじゃねぇの?」

「…してないよ。」

ショウにジッと見つめられ、笑顔の消えたルイスは瞬きを数回するとまた海を見て呟いた。



「心配する親だったら、俺も家出なんかしないさ。」




「お兄ちゃ~ん!ルイス~!」

ショウが口を開いたとき、可愛い声がそれを邪魔した。

「ディナー!ディナーよっ♪」


「今行くよ」


にこやかな笑みを浮かべ、ルイスが大きく手を振り返事した。


「行こう、ショウ。」

「おう」

答えたショウはルイスの頭をくしゃくしゃと撫でた。


「うわ、やめろよ」


大笑いしながらショウは歩いていく。




「…兄さんてのは、みんな似たような感じなのかな」


その後ろ姿を見て、ルイスは一人呟いた。




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