「ルナティアの力とやらでつけられた傷か?普通の怪我ならこんなに治りが悪いなんてことねぇし…。」
「…うん。そう、だよ。でも、治らなくていいんだ。」
ルイスの言葉にショウは目を真ん丸にさせて驚いた。
「はぁ!?」
「はぁって…、ぷっ!」
吹き出したルイスは笑いを堪え腹を抱え、涙目になりながらショウを見上げた。
「ショウ、髪が…。」
「あ?」
短い黒髪は風に吹かれておかしな方向にたち、…それが猫の耳に見える。
ショウの惚けた表情に耐えられなくなり、ルイスは声をあげて笑いだした。
「あはははは、あはは、あははは!」
「てんめぇ笑うなルイス!」
真っ赤になりながら、ショウは髪を撫で付けた。
背中の長剣が動く。
「あはは、…、ご、ごめんごめん、ふぅ。」
落ち着いたルイスはショウの背中のそれを見つめた。
「思い出した!ショウさ、剣は無理だよな?って聞いたら、あぁって言ったよな!使えるじゃん!」
「ん?あ、そうだな。ははははは」
「…きもいよ、何だよその笑い」
「…きもいか?」
若干ショックを受けたショウは剣に手をまわす。
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