ショウが目を覚まし、元気になるのには1ヶ月はかかった。

こんなに一つの街に滞在したことはなかったからか、ルイスは少し落ち着かない。


「きれ~い」

ミキナが船の甲板に出て海を眺め、うっとりと目を細めた。

「船に乗って正解だったな!」

ショウがにっと笑って言う。


今乗っているのは、メリンデルクの観光船。

港町を一周し、豪華なディナーも食べれる豪華客船だ。


「何だよルイス?そわそわしてよ。」

「ふぇ?!し、してないよ」

「あはは、ふぇって!ルイスおもしろ~い」

ご機嫌なミキナはパタパタと駆けていき、今度は部屋に戻る。


「…ルイス、こんな豪華客船に乗ったらまたバレるんじゃねぇか?」

「…俺の顔知ってる人なんてそういないし、大丈夫…なはず…」

「言葉とは裏腹に超心配そうだな」


バシッと背中を叩かれ、ルイスはうめいた。


「おあ、ごめん!まだ完璧に治ってねぇんだった!」

「ほとんど治ったよ」

自分を見上げ、笑ってみせるルイスの頭をショウは撫でる。


「でもさ、お前の怪我…治るの遅くないか?俺のだってもう治ったのによ。」

「…まぁ、仕方ないよ」


遠い目をしたルイスにショウは今度は不思議そうな表情を浮かべた。




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