「…たぶん。微かだけど、ミキナの瞳にも薄く紫が入ってる。本当によく見なきゃ、全然わかんないけど。」
「………。」
初めて知った自分の正体に、ミキナはかなり戸惑いを感じた。
「でも、普通の人と変わらないよね?だって、ルイスがそうだもん。」
「うん。それにミキナは医者に診てもらってもバレないと思うよ。」
微笑むルイスにミキナは安心した。
「あたしも、力、あるのかな。」
「…それはわからない。あっても少ないと思うけど。」
「個人差があるの?」
「ある。それに、ミキナはクォーターだから血が薄いし。」
「そっか。」
残念なような、そうでないような。
「…ケホ」
「!ごめんね、いっぱい喋らせちゃった。」
「ううん、ミキナと話してたら楽しいから。」
にこっと笑ったルイスを見て、ミキナも笑顔になる。
ルイスの明るい優しい笑顔は、人の心を溶かす。
「ゆっくり休んで、ね。内側から壊されかけたんでしょ?」
どういった内容でどういう感覚なのかはわからないが、ミキナは少し怖くなって声を震わせた。
「…うん。ありがとう。」
またミキナに笑いかけると、ルイスは眠りについた。
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