「…って、医者!?」
「しぃ~ッ!」
いきなり叫んだルイスに、慌てたミキナは人差し指を自分の唇に立てて黙らせた。
「大丈夫よ、ルイスは診てもらってないから。寝てるだけだって、お兄ちゃんだけ診て帰ってもらったの。
あ、お金、あたしとお兄ちゃんのじゃ足りなくて。ちょっと、ルイスの貰っちゃった。」
「あ、あぁ、いいよ、そんなの。」
ホッとしたルイスは起こしかけた体をまたベッドに寝かせた。
「どうやって俺とショウを運んだの?」
「まぁ、それは色々とありまして…」
ほほほ、と笑ってミキナは話題を逸らした。
「ルイスこそ、あれはなぁに?」
「え?」
首を傾げたルイス。
その薄い綺麗な紫の瞳を、ミキナは見つめた。
「風よ、風。急にルイスの身体を包んだと思ったら、石を粉々にしてボスレアを攻撃して。
しかもあの時、ルイスの目、その…。」
少し言いにくそうにした後。
「蒼色だったよ。」
そう言った。
「……」
…沈黙。
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