「…ん…」
部屋に流れる爽やかな風が、金色の髪を揺らす。
頬をくすぐるそれに、ルイスは目を覚ました。
ぼんやりと天井を見上げる。
「…あ、ルイス!よかった、起きたのね!」
可愛らしい声に、ルイスは顔を窓の逆の方へと向けた。
戸口に、洗面器を持ったミキナがにこにこ笑って立っている。
「…ミキナ?」
起き上がったルイスに、ミキナは洗面器の氷水が溢れないように気をつけながら駆け寄った。
ベッドの脇の机に置かれたそれには、タオルが2つ浸っている。
「大丈夫?無理、しないでね。」
ルイスの額に手を当てながら、ミキナは笑顔を心配そうな表情に一変させた。
まだちょっと微熱がある、と呟くと、ルイスを無理やり寝かせる。
「うわ、大丈夫だよ。起きてる…」
「駄目っ!」
ビシッと叱られ、ルイスは仕方なく枕へと頭を戻す。
「ショウは??」
ミキナの登場で自分が倒れるまでを思い出したルイスは、ミキナと同じ心配そうな表情で聞いた。
「お医者様に診てもらったからもう大丈夫。ほら、隣のベッドで寝てるでしょ。」
タオルを一つ絞って、ミキナはショウの額にそれをのせた。
ショウはすやすやと健やかな寝息をたてて眠っている。
顔色がよかったので、ルイスは安心した。
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