「る…ルイス…」
崩れ落ちるルイスに、ミキナは手を伸ばす。
しかしそれは届かず、ルイスはそのまま床に倒れた。
「…」
ミキナは起き上がり、金髪の少年に這い寄る。
その顔をジッと見つめた。
苦しげな青い顔。
荒い呼吸に、額に滲む汗。
閉じられた瞳。
「…ルイス、今のなぁに」
さっき風が彼を包んだとき。
彼の薄い紫の瞳は赤みが抜け、蒼い色になっていた。
答えない彼をしばらく見つめた後、ミキナはまた目を覚ましたモナキスに気付いた。
彼はボスレアと粉々になった緋光石とやらを見て、呆然としている。
そして、ゆっくりとミキナに、恐怖の浮かぶ顔を向けた。
(…あたしがやったって勘違いしてる。)
それを利用させてもらうことにした。
「ひっ」
銃と短剣を持ち、にっこりと自分を見下ろすミキナをモナキスは縮み上がりながら見つめる。
「あたしね、ルイスとお兄ちゃんを運びたいんだけど。手伝ってくれるわよね?」
怯えて震えるモナキスは、無言でコクコクと頷いた。
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