「?何がおかし…」
怪訝そうにボスレアを見下ろしていたルイスは、彼がまた懐から出したものを見て慌てて離れた。
(……う…)
口許を右手で抑え、ルイスはミキナとショウの前まで後退りする。
「何あれ…?」
ミキナはボスレアが持つそれを見て首を傾げた。
紅く妖しく光るそれは、石だった。
「くくく…ははは!」
狂ったように笑いながら、ボスレアは立ち上がる。
「さすがの貴方もこれには逆らえまい!どうだ!」
紅い石を振り上げ、ボスレアは勝ち誇った笑みを浮かべた。
「ルイス?あれ、なぁに?何だか嫌な感じが…」
目の前の金髪の少年の背中に話しかけたミキナは言葉を止めた。
「ルイス!?」
ルイスは急に座り込んだ。
青い顔をして口許を押さえているから、吐き気でもしているのだろう。
ショウの怪我に自身の服の布を当てていたミキナは、慌ててルイスに駆け寄った。
.