「は…?!」
固まっていたルイスはボスレアを睨んだ。
「お前、ふざけてんのか」
普段のルイスからは想像も出来ないような、低くて冷たい声と怒りの刻まれた迫力ある表情。
「いいえ。本気です。」
震えるミキナを締め上げたモナキスと目を合わせたボスレアはにたりと気分の悪くなる笑みを浮かべた。
その瞬間、ルイスの短剣が空を切る。
投げられた短剣は見事ボスレアの手ごと銃を切り、それを弾き飛ばした。
「なっ…?!」
モナキスが驚いて一瞬腕の力を弱める。
すると、ミキナが力の限り蹴りを入れた。
「えいっ」
…あそこに。
悲鳴をあげてモナキスは泡を吹く。
「ミキナ、ナイス。ショウを見てて」
「うんっ」
涙目になりながら、ミキナはショウに駆け寄った。
ルイスは手を押さえて踞るボスレアに近づく。
胸ぐらを掴んで無理やり引き上げた。
「…ボスレア、お前許さねぇぞ」
睨んでもう一本忍ばせてあった短剣を出した。
それを振り上げたとき。
「…くくく」
ルイスに胸ぐらを掴まれた男は、不気味に笑い出した。
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