「!」
急に四方八方から襲いかかってきた黒服の部下に、ルイスは鋭い目で視線を送る。
「卑怯よ!」
ルイスの援助に向かったショウを見送り、ミキナは離れた位置にいるボスレアを睨んだ。
「黙れ、クズが」
そう吐いた彼は、懐に手を突っ込む。
懐から抜かれたその手には、黒光りする銃が握られていた。
「!ルイス、お兄ちゃん!危ない!」
ミキナの声と共に、ドォン!と銃声。
弾は、ルイスと戦っていたボスレアの部下に当たった。
「銃?!」
ショウが慌ててボスレアを振り返る。
ルイスもその方向を見た。
銃は、いつのまにか起きたモナキスに羽交い締めにされたミキナに向いている。
「ミキナ!」
二度目の銃声が響いた。
続いてドサッ、と倒れる音。
「ショウ!」
ルイスの叫びと共に、ミキナが甲高い悲鳴をあげた。
ミキナを庇ったショウは、心臓から微かに右にずれたところから血をドクドクと流し、床に伏している。
「ルイス様、貴方が私に従えばこの女は撃たないことにしましょう。どうなさいますか?」
自身の頬につく血をぺろりと舐め、ボスレアが銃を構えながら顔だけルイスに向ける。
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