ルイスが姿勢を低くしてボスレアに突っ込む。

距離を0に等しくすると、右手に持った短剣を振り上げた。


ボスレアは咄嗟に懐からナイフを取りだし、短剣を受け止める。


それを認識したルイスは隙のない動きで右脚を上げた。

蹴りはボスレアの両腕のガードによって防がれる。


ボスレアの腕がミシリと悲鳴をあげた。


(本当に殺す気か)


ルイスの本気など見たことがない。

本気でなくても恐ろしいくらい強い。



ボスレアは後ろに跳んで距離を広げた。



すぐにルイスは向かってくる。

ナイフでは敵わない。

ボスレアはまた懐に手を伸ばした。


そこでふとルイスが消える。



「!?」

驚いた後、自分の上空をボスレアは見上げた。


ルイスは一瞬のうちに地面に両手をつき宙返りしていた。

真下のボスレアに短剣を突き下ろす。


「チッ」

舌打ちしたボスレアはすれすれの所で避ける。

が、頬に赤い線が走った。


地面に着地したルイスは、ボスレアの背後にまわる。



すると、彼は指をパチンと鳴らしてその場から離れた。





.