つかつかと歩み寄ってくる。
「貴様、今貴族を侮辱したな」
「本当のこと言っただけよ」
怖い。
けど一生懸命反発した。
貴族の言いなりなんて、絶対嫌だ。
「買い取りはやめだ。この場で即ヤって、殺してやる」
「…っえ?!」
ボスレアの冷たい茶色の瞳が、意地悪く光った。
「や、やだ…」
手が伸びてくる。
「やだぁっ…助けて!」
――――――――
ルイスとショウは、男とミキナが入って行った空き家に侵入した。
入ってすぐに鉢合わせした男の片割れは、音も立てずに即倒した。
「二階から音がした」
ルイスが小さな声で言うと、
「行くぞ」
とショウも短く小さく答える。
二人は音をたてないようにして二階へと階段を登った。
物音は大きくなっていく。
「やだぁっ…助けて!」
聞き慣れた可愛らしい声が悲鳴をあげた。
途端に、ショウが我を忘れ爆走して声のした部屋に向かう。
「来たか…っ!?」
扉を開けて二人の姿を確認しようとしたモナキスは、突っ込んできたショウの飛び膝蹴りを食らって部屋の奥に吹っ飛んだ。
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