月の国


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その頃、ミキナは。


空き家の二階で柱にくくりつけられ、自分を拐った二人の男の片割れと対峙していた。


「お前と一緒にいたあの二人は仲間か?」

「そうよ。」


睨みながらも答える。


「どういう関係だ。」

「お兄ちゃんと友達よ。」

「友達…。あの金髪の方だな?」

「そう。」

「あいつの名前は?」


「……。」


ミキナは考えた。


ルイスは自分の名を、貴族の前ではあまり言うなと言った。

目の前の男は、見た目や話し方、服などを見ても貴族ではない。

だけどもし、この男が貴族に雇われたのだったら。

言わない方がいいだろう。



「……。」

「言わないのか」

「……。」

「仕方ねぇな。」

「…っきゃあ!?」


急に、男がミキナの頬をぶった。

動けないミキナはもろにそれを受ける。



「言え!痛い思いをしたくなかったらな!」

「…やだ!あたし、自分の為に友達売ったりなんかしないもん!殴っても無駄よ!」


ミキナの強い意志に一瞬、男は怯む。


「このっ…」


男がまた腕を振り上げたときだった。



「もうよい」



低い声がした。




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