それからも、三人でじゃれあいながら楽しく散歩感覚の旅は続く。
「ねぇ、…何か来たよ」
ミキナがそう言ったのは、メリンデルクが見え始めたときだった。
「あれ?」
純粋に町を見て喜んでいたルイスも、目的地からやって来るものを見つけて首を傾げる。
「人だな。男二人だ。」
ショウはそれをよく見ようといかつい顔をしながら、二人に告げる。
「…こっちに来てるよ」
「…何か走ってるな」
「…近づいてきたよ」
男二人は三人の目の前で停止した。
二人共怪しいマントにフードで顔を隠している。
「?」
不思議に思っていると。
不意に、男の一人がミキナを抱えた。
「きゃあ!!」
身構えていたルイスは直ぐ様ミキナを抱えた男に蹴りを入れる。
しかしそれはかわされ、ミキナは首に短剣を突きつけられた。
怖くて声も出せなくなる。
「何だよお前ら!ミキナを離せ!」
「動くな!」
喚いて飛びかかろうとしたショウにもう片方の男が言う。
「ミキナに何するんだよ」
ルイスは冷静に、そう聞いた。
戦意がないのを示すため、両手を挙げる。
そうしないとミキナが危ない。
ショウも渋々従った。
.