「ねぇ、メリンデルクまでどれくらいかかるの?」
笑いの収まったミキナはまだ笑い続けるショウに大きな声で訊く。
「んあ?あぁ、1日くらいで着くはずだぜ」
涙目になりながらも答えたショウに、今度はルイスが笑う。
そんなルイスの頭をくしゃっと撫でて、ショウが一言。
「ルイスは可愛いな~」
「…えっ」
そこで一瞬、少年は固まる。
「ん?どうした。可愛いって言われるの嫌か?」
ニヤニヤ笑いながら、ショウは目線をルイスと合わせる。
「…だって、俺、男だよ」
ややあって答えたルイスは目を逸らした。
「可愛いならあたしに言ってよっ」
「あ~可愛い可愛い」
「お兄ちゃん!」
拗ねたミキナはショウとルイスを置いてスタスタ歩き出した。
「怒んなよ、ミキナ。」
ショウは慌てて追いかける。
(…ビックリした。)
ショウの動作、言葉が。
一瞬、あの人と一緒だった。
ルイスは少し遅れて、二人の兄妹を追いかけた。
.


