「なぁなぁ、メリンデルクって最近二つの町が合併した港町だよなぁ?」
水の街トゥメニスを出て一時間。
ルイスは次の行き先、メリンデルクがどんなところなのかしきりに聞いていた。
「あぁ、そうだな。元は商業区だった北の町と港町だった南の町が合併した。南の方の海岸沿いは船がやたらと停泊してるみたいだ。」
丁寧に答えてくれるショウ。
「あたし、船に乗ってみたいな」
目を輝かせて、ミキナは想像しているのか天を仰いだ。
「そっか~。色んな町があるんだな~。」
ミキナ同様に目を輝かせて、ルイスはにこにこ笑う。
「ルイスは全然他の町に行ったことないもんね。」
「おぅ!自分の目で見れるっていいな!」
「てかメリンデルクも結構大きいけど…いいのか?」
子供な二人を見て笑いを堪えながら、ショウはルイスに聞いてみる。
「もう変装してるからいいんだ!」
「ちげぇよ、大きい街は嫌いなんだろ?」
「あれは…その…貴族がいそうだからで…」
急に歯切れが悪くなったルイス。
「やっぱり嫌いなんかじゃないのね。だってルイス、トゥメニスに着いたときすんごい感動して騒いで、ちっちゃい子みたいでおもしろかったもの!」
ミキナが満面の笑みで言うと、ルイスは罰が悪そうに口を尖らせて目を逸らした。
「お前、感情豊かだな~。ミキナみたいだ。」
「やだよ。それにショウには言われたくないなぁ。」
「やだって何よ!あたしと似てたら嫌なの?」
「え、そういう意味じゃなくって…」
今度は慌てるルイス。
ルイスの反応を見た二人は、腹を抱えながら大笑いした。
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