「るなてぃあ?それ、盗賊の人も言ってたよね」
「うん。」
「そのるなてぃあって何だ?」
ショウが顎に手をやりながら聞いた。
「月に何百年も前に他の星から人が移住してきたのは知ってる?」
「うん。学校で習ったよ。」
ミキナは素直に頷きながら答えた。
「おう、そうだな。忘れかけてた」
ショウは豪快に笑いながら、先を促す。
「その時、月には元々先住民がいたんだよ。それがルナティア族。」
「え?そんなの聞いたことないよ。教科書載ってないもん」
「載せられてないんだ。あまりルナティアのことを知られたくないんだよ。」
「何でだ?」
「…知らない」
急に態度が変わったルイスに、ショウは顔をしかめた。
「何だ、嘘つくなよ」
「…ついて、ないよ」
「怪しい!」
「いたたたっ!」
「お兄ちゃん、やめて!」
ルイスの腕をつねったショウをミキナが止めた。
「乱暴だなショウは」
ひりひりする腕を擦りながら、ルイスは軽く睨んだ。
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