「な、何?これ…」


ルイスの背中。

そこには、大きく描かれた紋様のような刺青と、赤く染まった包帯があった。



「…何でも、ないよ」

咄嗟に隠すルイスだが、弱々しいその手はすぐに掴まれた。

包帯が解かれる。


斬られたような一筋の傷が露になった。

そのそばには銃痕のようなもの。


どちらもまだ治っていない。


「こんな、怪我!お前、いつから?さっきこれに新聞攻撃当たって、それで急に具合悪くなったのか!」

「痛いのよね?だから震えてるの?」


二人の早口の言葉に混乱したルイスは困った顔をする。



ショウの言っていることは合っている。

でも、ミキナの言う痛いから震えてるというのは違う。



二人とも、ルイスの目元が赤いのに気付いていなかった。

雨が涙を隠していた。



「…大丈夫だよ。この怪我だって、二人に会う前からあったんだ。」


少し掠れた声。


それは二人を不安にさせた。


「とにかく、部屋!戻るぞ!」


縮こまって震えるルイスを軽々と抱き上げ、ショウは走り出す。


「ちょ、歩け…」

「歩けない!」


いや、歩けるってば。


何だか大袈裟にことを見られた気がする。



隠してたのに。




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