「ルイス!?こんなとこいたの!」

案外早く見つかったことに喜びながら、屋上の柵にもたれるように座り込んだルイスに近寄る。

ショウが後ろから傘をさした。


「街見てるの?風邪ひいちゃうわよ、ねぇ!」



肩をひかれて、ルイスは閉じていた目を開いた。

ゆっくりした動きで少女を見上げる。



「…ルイス?」


その綺麗な薄い紫の瞳が、とても冷たいものに見えてミキナは立ちすくむ。


しばらくミキナを凝視していたルイスは、やっとそれが彼女だと理解し少し微笑んだ。


「ルイス、何してんだ。濡れちまって、熱上がるだろ?」


タオルをそっとかけてやると、また震えているのに気が付いた。

まるで身を護るかのように、きつく自身の身体を抱きしめている。


「ルイス、寒いのか?顔色悪いぞ…!」

ショウが言葉を止めた。


少年の背中。

白い服が濡れて透けて、赤いものが見えた。



「お前!背中が!」

慌てて服をめくる。

ミキナも何事だろうとルイスの後ろにまわってそれを見た。


そして、二人して絶句した。




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