「おっそいなルイス~」
とっくに朝ごはんを食べ終わったショウはミキナがまだ食べているので、退屈そうに腕を頭の後ろで組んでいた。
「ね、置いてきてよかったの?」
デザートを食べにかかっているミキナは不安そうに聞いた。
「微熱だけだろ?ルイスはしっかりしてるし平気だ」
「震えてたよ?ほんとに微熱だけなの?」
「心配なら早く食え!」
「いたっ!叩かないでよ、お兄ちゃんの馬鹿ぁ」
言い合いをするうちにデザートはミキナの腹に収まった。
食器を片付けておばちゃんに礼を言い、競うように階段を上がる。
「あたしの勝ちぃっ」
扉をばん!と開いて駆け込むミキナ。
「…あれ?」
シーンとした部屋。
ルイスはいなかった。
「…ん?いねぇな」
転んで負けたショウは悔しそうに部屋に入ると顔をしかめる。
「どこ行ったのかな」
「トイレじゃね?」
「トイレ電気ついてないよ」
「………」
窓から雨の降り出した外を見てみた。
カラフルな傘が彩るブルラの行き交う水路に金髪はない。
そもそもブルラを借りるところを知らないか、とショウは頭を振った。
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