「あのさ」
部屋について各々自由に座ると、ルイスが口を開いた。
「貴族の前ではあんまり俺の名前出さないで。知ってる奴は知ってるんだから」
「あぁ悪かったな!お前も貴族様だもんな!」
「やめてよお兄ちゃん。八つ当たりしないで」
まだ怒っているショウをミキナはなだめた。
ふんと鼻をならしたショウはふて腐れる。
「俺は貴族が偉いなんて思ってないよ。どっちかって言うと駄目だあんなの」
ショウの言葉に怒りもせず、穏やかに微笑むルイスはそう言うと窓辺に肘をついて二人を見た。
「何だお前、それ自分のこと駄目だって言ってるようなもんだろ」
「だって駄目だし。」
笑いながらルイスが言うと二人も笑った。
「なんかルイスって憎めないね」
「だなぁ」
「あはは、それもよく言われるなぁー」
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