「家出してんのバレたらそんなやばいのか?」
「見つかったら殺されるかもね」
ルイスの言葉に二人は目をひんむいて驚いた。
「あはは、冗談だよ」
「もう、びっくりした。ルイスの馬鹿ぁ」
ぽかぽかと頭を叩くミキナを、ルイスは笑いながら見上げた。
「お前いっつも笑ってるから本当なのか冗談なのかわかんねぇよ!」
ショウは豪快に笑い、ルイスの髪をくしゃくしゃにする。
「うわ、やめろよ」
本当にいつも笑みを絶やさないルイスはまた笑いながらショウの腕を掴もうとする。
ショウはそれをさっとかわした。
「あっ、このやろ」
ムキになってじゃれあう少年と青年。
ぐぅ~。
「……………。」
動きを止めたショウはミキナを見た。
「えっ、あたしじゃないわよ!」
それを聞き、次はルイスに視線を移す。
「…はは、昼から何も食べてなくて腹減った。」
ルイスは笑ってペロッと舌を出した。
――――――――
「どうだい坊や、おいしいかい!」
宿のおばちゃんが、食堂でとても幸せそうに料理を頬張る金髪の少年に聞いた。
「ウマイよ、最高!でも俺、坊やじゃないぞ!」
金髪の少年、ルイスは笑顔で答える。
「お前は坊やだろう、どう見ても。」
黒い肌の青年が大笑いしながらルイスの頭に手をのせた。
「違う!俺はもう15歳だ!」
「15歳はまだ坊やだよ」
おばちゃんは愉快そうにそう言うと去っていく。
「ルイスが坊やなら、あたしは?」
ショウの左隣に座る茶色い髪の少女がデザートに手をつけながら首を傾げた。
「ミキナはお嬢ちゃん、てとこじゃない?」
「い~や、ミキナはどっちかって言うとおてんば娘だな!」
「何よう、あたしだって優雅な振る舞いくらいできるもんっ」
ぷくっと頬を膨らましたミキナはデザートをおしとやかに食べ始める。
「お、うまいうまい」
ルイスが笑いながら褒めると、ミキナは得意そうに「ほらね!」と微笑んだ。
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